つかの間の休息を終え、隆之達は再び熱気に包まれた洞窟内へとやってきた。
そして最初に隆之がパトリシアを先導してやってきた道を戻り、
分かれ道の反対側――洞窟の最深部へと改めて歩を進める。
来たときと同様、隆之以外の者は馬車で外を歩く隆之をハラハラしながら見守っていたのだが、
隆之の足を熱していた熱を持った石で出来た赤い川は、曲がり角を曲がるとすぐに途切れてしまった。
それに安堵したピエール、マーリン、ドラきち、そして未央と虎鉄が馬車から降りて歩く。
スライムナイトピエールの相棒であるスラフィーネは、これまで洞窟の熱気にやられていたが、
熱が体内にこもってきて調子が悪くなったときに泉で汲んだ水を体にかければ、
体が熱で溶けることを回避出来るとわかったのでめでたく戦線復帰である。
同じスライム族であるスラりんにもそれは同様で、今は馬車内で元気に飛び跳ねて待機している。
隆之達が先へ進むと、泉への道と同じように道は下り坂になり地上からさらに深いところへと続いていた。
ただし、あちらの道とは対照的にこちらは涼しくなるどころか逆に暑くなってきた。
「スラフィーネ、大丈夫か?」
隆之がスラフィーネを心配して声をかける。
するとスラフィーネは、
「ピキッ!」
気合の入った声で返事をした。
「ご主人、スラフィーネはさっきまで動けなかった分、とても気合が入っているでござる。
だから今更戦闘から外すということはナシでござるよ。」
「はいはい、了解。2人には期待してるよ。」
隆之はピエールが代弁したスラフィーネの気合を聞いて、笑みを漏らした。
ピエールとスラフィーネ、2人の気合が頼もしくて仕方がない。
そうこうしているうちに下り坂が終わり、道の先には、
「うわ・・・。」「まあ。」「なんと・・・。」「こりゃあ・・・。」「キキッ。」「グルルッ。」
馬車の外にいた全員が思わず声を漏らす光景が広がっていた。
道はこのまま細い一本道になり、一本道はどろどろに溶けたオレンジの溶岩の海の上を渡っている。
一本道を渡った先は小さな小島になっており、そこには・・・、
「「あった!」」
隆之と未央が同時に声をあげた。
小島の上にある大岩からは聖職者ではない隆之にもわかるくらいの強い聖なる光が溢れている。
わざわざそこに行って確認しなくてもわかる。
探していたもの――炎のリングがあるのは、絶対にあそこだ!
そう確信を得た隆之と未央はほぼ同時に走り始めた。
一方は行方不明の母の手がかりを得るため。
一方は望まない結婚を回避するため。
馬車1台がなんとか通れるくらいの狭い道を、横並びになって我先にと走っていく。
仲間達が一拍遅れ、慌てたように後を追う。
足場の悪い道を普段から歩き慣れているためか、
「はあ・・・はあ・・・やっと見つけた!」
先にたどり着いたのは隆之だった。
未央に横から取られないよう、感慨に耽る間も少なく大岩に埋め込まれている炎のリングを見つけて手を伸ばす。
しかしそのとき、
「ご主人、危ない!!」
「!!」
ピエールからの警告の声を聞くのと邪悪な気配を感じるのが同時だった。
隆之は炎のリングを手にするのを諦めてバックステップでその場から離れて仲間達のところまで下がる。
未央もまた邪悪な気配を感じて仲間達のもとに戻っていた。
隆之と未央が仲間達に合流すると、小島の周りの溶岩の海が動き始めた。
そしてまるで地震が起こったかのように辺りが揺れる。
「クックル!スラりん!」
隆之の声を聞き馬車の中にいたクックルとスラりんが外に飛び出し、全員で身を低くして揺れに耐える。
揺れが強くなり、溶岩の海がさらに荒れて火柱を吹くと、
≪≪≪ゴガアアアアアァァアァァァァァァアッ!!≫≫≫
揺れが途端になくなって、それと同時に溶岩の海からモンスターが飛び出してきた。
溶岩がそのまま意思を持ったようなモンスターで、体からは熱を持ったオレンジ色の溶岩を滴らせていた。
その姿から名付けるならば、“溶岩原人”といったところか。
計3匹現れた溶岩原人は隆之と未央を炎のリングに触れさせないと言わんばかりに道を塞ぐと、
≪≪≪グルァアァァァァァァアァァ!!≫≫≫
地を揺るがすような叫び声を上げて、こちらへ襲い掛かってきた!
立ちふさがる溶岩原人は3匹。
隆之達も3組に分かれて隆之、ピエール、そして未央と虎鉄がそれぞれ1匹ずつと対峙する。
チェーンクロスと刃のブーメランで1度に全員に攻撃出来るドラきちとスラりん、
魔法攻撃主体のマーリンと補助呪文担当のクックルが中央で前衛3組のサポートをする。
《マヌーサ!》
まずはマーリンが溶岩原人達に向かって幻覚呪文を唱える。
前衛陣に襲いかかろうとしていた3匹は幻に包まれ、
そのうち未央と虎鉄へと向かっていた者が幻を払うことが出来ず、振り上げた腕は全く見当違いの方向に下ろされていった。
「そこっ!」「ガウッ!!」
未央と虎鉄はその隙を見逃さず、こちらに背を向けてしまった溶岩原人に攻撃を繰り出した。
「はっ!」「スラフィーネ、右っ!」「ピキッ!」
マーリンが生み出した幻を払いのけた2匹はそれぞれの標的に襲い掛かる。
隆之は父の形見の剣でこれを受け止め、ピエールはスラフィーネの俊敏な動きでこれを避けた。
と、そこに、
《クルックー!!》
クックルがピエールに向かって攻撃力強化呪文――バイキルトを唱えた。
「ピーッ!」
クックルの呪文のタイミングを見事に掴んだスラフィーネは、攻撃を避けた動作をそのまま使って相手の脇に入る。
「でぃああっ!!」
バイキルトにより全身に力が漲っているピエールが渾身の突きを繰り出す。
≪グラァァッ!!≫
それを察した溶岩原人は溶岩で出来ている体を粘度のように捻る。
体を2回捻じって、なんとか直撃するのを防いだ。
溶岩原人の攻撃を剣で受け止めた隆之はというと、
「キキーッ!」
ドラきちが放ったチェーンクロスが溶岩原人の腕に当たり、攻撃を中断させる。
「ナイスだドラきち!」
剣が軽くなった隆之は身をかがめ溶岩原人の脇下から上へと、両腕を切断させるつもりで切り上げた。
しかし、
――カキンッ!
「おいおい、どういう体してるんだお前さんは・・・。」
さっきまでゼリーのようにぐにょぐにょと波打っていた体が剣が当たるその一瞬だけ硬化して岩になった。
隆之の剣は数センチだけその岩を欠けさせただけに留まり、片腕も切断させることは出来なかった。
隆之はこの一撃を諦めると身を引いて、仕切り直すために相手との距離を取った。
隆之が、ピエールが、未央と虎鉄がそれぞれの敵に対峙する。
未央と虎鉄が相手をしていた溶岩原人は自力で幻を払ったため、もう攻撃ミスはしてこないだろう。
距離を広げて相手の出方を伺っていると、
《ピキッピ!!》
《ピーヒュルー!!》
スラりんとクックルが溶岩原人達に向かって、同時に呪文を唱えた。
≪≪≪グルアァァァッ?≫≫≫
2匹が唱えた呪文は広範囲防御力低下呪文――ルカナンだ。
これにより、溶岩原人は皆体を硬化させる力が弱くなった。
隆之、ピエール、未央、虎鉄はその隙を見逃さず、
「はあっ!」
「ぬおおっ!」
「やあっ!」
「グルルッ!」
それぞれが相手に向かって攻撃を放った。
≪≪≪ゴォォォオォォオッ・・・!!≫≫≫
いずれの攻撃も防御力が低下した溶岩原人達にはとても有効で、
致命傷まではいかないまでも動きを止めることには成功した。
しかし、
≪≪≪ガアァァァアァアァ・・・・。≫≫≫
溶岩原人達はこのまま黙って倒されるつもりはなかった。
≪≪≪グガアッッッッッ!!≫≫≫
溶岩原人達は力を溜めだしたかと思うと、3匹一斉に燃え盛る火炎を吐き出した。
だが、それは隆之達前衛を狙ったものではなく、
「危ない!」
「スラりん、ドラきち、クックル、マーリン!避けろ!!」
後衛にいた仲間モンスター達に向けられた。
燃え盛る火炎の勢いはすさまじく、庇おうにも間に合わない。
未央と隆之は後衛のモンスター達に、避けるように必死に声を荒げた。
「パタパタッ!」「ひいいっ!」「ククッ!」
その声に反応し、素早さを活かして上空へと逃げたドラきちは無傷、
火炎を恐れてしゃがみ込んだマーリンはフードを焦がしただけ、
クックルは横へと羽ばたき何とかギリギリで避けて尾に軽い火傷を負っただけで済んだが、
「ピッキーーーッ!!!」
スラりんが出遅れてしまい、燃え盛る火炎の直撃を受けた。
「「「スラりーーん!!」」」「スラりんちゃん!!」「ガウーッ!」「キキーッ!」「クククー!」
全員が火炎の渦に包まれたスラりんの名を叫ぶ。
燃え盛る火炎が過ぎ去ると、その場に倒れ伏したスラりんの姿があった。
「スラりんちゃんっ!」
その姿を見た途端、未央は溶岩原人から背を向けてスラりんのもとへ駆け出した。
仰向けに転がっているスラりんを抱き起こす。
聖なる泉の水を体に浴びた後だったためか、体は溶けずになんとか原型を留めていた。
しかし、澄んだ綺麗な水色をした体は真っ黒に焦げてしまっている。
「スラりんちゃん!しっかりして!!」
未央がスラりんに呼びかけながら急速回復呪文――ベホイミをかける。
だがスラりんの傷は全く癒えない。
それでも再びベホイミを唱えようとするが、
≪≪≪グルアッ!!!≫≫≫
そこに溶岩原人達が一斉に襲い掛かる!
「―――っ!!」
未央は溶岩原人へと振り向くが意識より先に本能で動いても間に合わないと察する。
せめて傷ついて倒れたスラりんだけでも助けようと胸に抱き寄せ、
ぎゅっと目を閉じて渾身の一撃が振るわれるのを覚悟した。
だが、
「やらせるかよっ!!」
溶岩原人の攻撃は未央には届かなかった。
ぎゅっと閉じていた瞳を開けるとまず、隆之のたくましい胸板が見えた。
そして見上げると前方の敵をにらみつける隆之の顔。
隆之は未央を片手で抱き寄せて己の身で庇い、もう片方の手に握られている剣で1匹の溶岩原人の体を貫いていた。
≪ガ・・・アァァァアアァアァアアアアアァァァァァァァァァ・・・・≫
剣は溶岩原人の胸――人間でいう所の心臓の位置を貫かれていた。
どうやらそこに彼の急所があったらしく、最後にあげた唸り声は徐々に小さく消えていった。
「大丈夫か、お嬢さん?」
「えっ・・・?」
動く力を失いただの黒い岩石へと変貌していった溶岩原人をぼんやりと見つめていた未央は、
呼びかけてきた隆之の声で我に返った。
「あ・・・は、はい!あ、ありがとうございます、庇っていただいて・・・。」
そして礼を言うと、少し頬を赤く染めながら隆之の腕の中から出た。
周りを見ると、残りの2匹は近接戦闘担当のピエールと虎鉄を中心とした仲間モンスター達が相手をしている。
未央とは対照的に、戦闘の集中力を切らしていない隆之は真面目な顔で、
「スラりんは!?」
未央の礼の言葉に答えずに、彼女の腕の中にいるスラりんの様子を見る。
改めて腕の中のスラりんの姿を見て、未央は沈うつな表情になる。
「駄目です・・・ベホイミをかけても効き目がなくて・・・スラりんちゃんは、もう・・・」
「貸してみろ。」
そう言われて未央は隆之にスラりんの体を差し出した。
受け取った隆之がスラりんの体に耳を当てると、少し安堵したように短く息を吐いた。
「大丈夫、微かだけど心臓が動いてる。まだ死んでない。
ただ、ダメージを受けすぎて体から魂が抜け出してしまったから呪文が効かなくなってしまったんだよ。
魔法は魂が認識して初めて成り立つって言うしな。
街に戻って教会でスラりんの魂を呼び戻してもらえば問題ない。」
「そうですか・・・よかった・・・。」
未央はスラりんがひとまず無事であることを聞き、瞳を潤ませるくらいに心から喜んだ。
隆之は自分の仲間モンスターを心から心配してくれる未央の優しさに微笑むと、
「ああ。だから、ちゃちゃっとあのモンスターどもをやっつけて街に戻らないとな。」
涙が流れ出そうになっていた未央の目元を大切なものを扱うようにそっと拭い立ち上がった。
「・・・!」
突然の接触に驚いて未央は頬を真っ赤にして固まった。
そして固まりながら呆然と隆之を見上げていると、あることに気づいた。
「あ、瀬戸口さん、背中に怪我をされています!」
先ほど未央を庇った際に出来たのか。
深くはないが背中に大きな火傷を負っていた。
「いや、これくらいどうってこと、」
「よくありません!《ベホイミ!》」
未央の回復呪文を断ろうとした隆之だったが未央は断りの言葉が終わらないうちに、間髪入れずに呪文を唱えた。
焼けて穴が開いたマントと服は元に戻らなかったが、背中の火傷は消えてすっかり綺麗になった。
呪文を唱え終えた未央が立ち上がると真剣な眼差しで、
「瀬戸口さん、スラりんちゃんを教会へ連れて行くのでしょう?
なら貴方に大事があってはいけないじゃないですか!」
と、咎めるような口調で言った。
旅の間はこの程度の怪我などしょっちゅうなのであまり気にしてなかった隆之だが、
「あ、ああ・・・そうだな。」
厳しく言われてちょっとたじたじになる。
「だからわたくしが貴方の背中を守ります!いいですね!!」
隆之は口を開けばケンカばかりしていた相手の突然の言葉に驚いたが、
気合と共に発せられた未央の言葉は反論を許さないものだった。
やれやれ・・・とため息を吐いて諦めると、
「わかったよ。背中は預けたせ、お嬢さん。」
と言って手を差し出した。
「ええ!お任せを!!」
そして未央はその手を取り、隆之の戦友となった。
戦闘不能になったスラりんの体を馬車に横たえると、隆之と未央は戦線に復帰した。
そして隆之は仲間達に指示を出す。
「皆、相手は手ごわい。
2匹に減ったとはいえまた同時に火を吹かれたら厄介だ。
全員で集中攻撃して、1匹ずつ確実に倒そう。
俺とピエールとお嬢さんが前線、マーリン、クックル、ドラきちは後方で援護を。
虎鉄は残り1匹の注意を引きつけておいてくれ。」
「はい!」「了解でござる!」「わかったわい!」「ピーヒュー!」「キキッ!」「ガウッ!」
隆之の指示に全員が了解の返事をした。
作戦が決定した後の全員の動きは早かった。
前線組が援護組を守るように立ち、狙いを右側の1匹に絞った。
左側にいるもう1匹が彼らの邪魔をしないよう、虎鉄が威嚇しながら近づき距離を開かせる。
距離が十分開いたのを横目で確認すると、
「行くぞ皆!!」
隆之は全員に合図を送り、目の前にいる溶岩原人に切りかかった。
「じやぁぁ!」「やあっ!」
数瞬遅れて隆之の両サイドからピエールと未央が相手に向かっていく。
≪グガァアッ!!≫
彼らを対峙している溶岩原人は、今度は援護組ではなく前線組に燃え盛る火炎を吹きかけようと大きく息を吸い始めるが、
「パタパタッ!!」
いつの間にか背後に回っていたドラきちが放つチェーンクロスを後頭部にまともに受けてしまい、
火炎を吹きかけることは出来なかった。
その隙を見逃さずに、
「はっ!」「おりゃあっ!」「せいっ!」
隆之、ピエール、未央の攻撃が次々と溶岩原人の体に直撃する。
3人の攻撃を全て受けた溶岩原人は耐えられなくなり、
≪ゴガ・・・・アアッ・・・・アァァァァ・・・≫
途切れがちな叫び声を上げて地に倒れ伏し、先に倒した1体と同様、黒い溶岩となって動かなくなった。
「虎鉄っ!」
無事に右側にいた1匹が倒れていくところを見送ると、左側の1匹をたった1匹で相手をしている虎鉄が気に係り、
未央はすぐさま振り向いた。
「グルルル・・・ガァッ!!」
虎鉄は無事だった。
それどころかたった1匹でもよく動き、相手の攻撃を避けながらだか少しずつ、確実に相手にダメージを与えている。
それはマーリンがマヌーサで、クックルがバイキルトで虎鉄を援護していたからだ。
溶岩原人の攻撃はマヌーサによる幻覚で照準が合わないし、バイキルトで強化された虎鉄の一撃は掠っただけでも重い。
溶岩原人最後の1匹は、もはやまともに動けず虎鉄の攻撃を避けるだけで精一杯だった。
そこへさらに、
「「虎鉄っ!!」」
駆けつけた未央と隆之が背後から溶岩原人に襲い掛かる。
≪ガガアッ!!≫
それを察知しなんとか避けたが、
「ガウアッ!!」
結局は虎鉄から改心の一撃を受けてしまった。
≪グガゴ・・・アアアァァァァ・・・≫
力尽きた溶岩原人の身は崩れ落ち、黒い溶岩となった。
「勝った・・・勝ちましたのね。」
それを見届けて、未央の膝から力が抜けてそのままぺたんと座り込む。
未央達に襲い掛かってきた3匹の溶岩原人は全員動けなくなった。
この灼熱地獄での溶岩原人との戦いに勝利したのだ!!
未央は熾烈な戦いの終焉にしばし呆然としていたが、
「そうだ!炎のリングを!!」
隆之とどちらが先に炎のリングを手に入れるか競っていたことを思い出す。
未央が炎のリングが埋め込まれている大岩の方へと振り向くと、まだリングはその場所にあった。
隆之に取られないうちにとすぐに立ち上がり、大岩へと駆け出す。
あと1歩でリングまで手が届く。
だが、
「えっ・・・。」
リングまであと十数センチのところで横から伸びてきた隆之の手に奪われてしまった。
心に悔しさを感じてそちらの方を向くと、
「・・・悪いな、早い者勝ちなんだ。」
隆之が複雑そうな表情でそう言った。
「くっ・・・!」
先にリングを取られてしまった未央は何かを言い募ろうとしたが、
「・・・なら、仕方がありません。」
結局諦めるしかなかった。
未央は悔しさを堪えるように隆之から背を向けるのだった。
未央の花婿を決めるために出された2つの過酷な試練。
何人もの運命を飲み込みながら始まった1つ目の試練は、隆之が炎のリングを手に入れることで幕を閉じた。